スペシャル

原尾宏次プロデューサー インタビュー

「萌えスロ」というジャンルを切り開いた偉大な金字塔「Rio」シリーズ。
アニメ化にあたってその歩みを一望するロングインタビューをお届けします!
キャラクターたちの魅力はどのようにして培われたのか?
そこから生まれたアニメ版の魅力は? 
これであなたも「Rio」の魅力を丸裸にできちゃうぞ!?

PROFILE
原尾宏次
「Rio RainbowGate!」プロデューサー。コーエーテクモウェーブ取締役。

<<123>>

飛び道具な存在 コミカルなリンダ&アーニャ、ミステリアスなダーナの魅力

――その点では、リンダはちょっと立ち位置の特異なキャラですね。

原尾 リンダは基本おバカキャラです。2007年から登場したキャラなんですけれども、今まではあまり裏事情に触れずにきたんです。そこを加戸監督がしっかりと世界観に整合性をもたせてくださいました。

――役どころとしては、飛び道具的なコメディリリーフ兼セクシー役みたいなところでしょうか。

原尾 そうですね。リオのコメディ構造自体が、キャラの一発ギャグとかで笑わせる方向ではない、意外とシュール系な全体の流れを重視した笑いになっているので、リンダはそのなかで賑やかしとして動いてくれるキャラクターですね。日笠陽子さんの声もぴったりで、かなりイケているキャラになっているのではないかと。今回、決めたこちらが驚くほどに、声がみなさんイメージにぴったりなんですよ。

――たしかに、わかる気がします。

原尾 中でもアーニャは特にぴったりで、彼女は演じる福井裕佳梨さんご本人の性格に合わせちゃった感じがありますね(笑)。最初は「ちょっとドジ」くらいのキャラクターだったんですけど、あまりにも福井さんがすごかったので、どんどんキャラがドジ寄りになってしまいました。ただアーニャも、苗字がヘルシングということで、いろいろ設定を抱えたキャラです。とはいえ、本編ではギャグばかりなんですけど。

――あとはミステリアスなダーナですね。

原尾 ダーナは先ほども触れましたが、『ソロモンの鍵』から生まれたキャラクターで、もともとは「ゲーマガ」さんとの企画から生まれたキャラクターだったりもします。リオは手品師に憧れているので、そこから生まれたキャラクターでもあります。あと、カジノというのは、総合アミューズメントプレイスなので、その意味で世界設定を固めてくれるキャラクターでもありました。

「Rio」の魅力は美少女だけじゃない! 「濃い」男性キャラも作品をひっぱる

――美少女がメインの作品ですけれども、男キャラも相当濃い様子ですね。メインキャラクターのひとりであるハワードからしても濃い。

原尾 ハワードは自称ホテル王ですからね。裏がありそうな感じがしますよね。

――序盤はかなりセクハラおやじぶりが目立つ形ですね。男性の視聴者的には嬉しいところを彼が担う。

原尾 そうですね。そんなこともあって、多分、いちばん美味しいキャラだと思いますね。石井康嗣さんの演技も素晴らしいし。

――ちなみにリオとハワードの出会いは?

原尾 もともとリサとハワードが知り合いで、リサがいなくなったあと、ローザの紹介があってリオを雇ったという流れですね。とはいえ、リオがリサの娘であることは、知ってはいてもあまり深くは意識していないんだと思います。ですから、今の関係性は「良い上司といい部下」といったところではないかと。イケイケ系の部長とその下の若手社員、みたいな。

――信頼関係があるわけですね。

原尾 そうです。あと、サブキャラクターの中で、アニメで一番変わったのはフェレットのチップですね。アニメ版は従来の萌えスロ版のディフォルメされたものとは違う、リアルな雰囲気になっています。動いて、声がつくことで、さらに広がったキャラクターたちの魅力を楽しんでいただけると嬉しいですね。

――こうしたメインキャラたちに加えて、各話ゲストの敵役も相当濃いというお話ですが。

原尾 濃いですね。どうしてここまで濃くなっちゃたんだろうと思うくらい(笑)。原作の性質からして、数秒のデモでどんなキャラかわからないとダメですから、自然と濃くなるということなんだと思いますが、ここまで某乳酸飲料の原液みたいな感じのキャラばかりになるとは。このインタビューは1話の放送時に公開されるそうですけど、公開直後に放送される2話に、高橋広樹さんが演じるエルビスというキャラが登場するんですね。これにはみなさん驚かれると思いますよ。高橋さんは『ネオアンジェリーク』からのつながりでドラマCDのときにお願いしたんですが、そのときに「このシナリオライターさんが俺に何をさせたいのかがはっきりわかりました」とガンガン飛ばして下さったんですね。そのときのことを覚えていてくださって、そのままの勢いをアニメにも持ち込んでくださったので、高橋さんのファンの方は必見だと思いますね。私、あまりアフレコの現場に詳しいわけではないんですけど、リオの収録現場は楽しそうです。アフレコのスタッフさんに聞いてもそうおっしゃるので、かなり雰囲気はいいのだと思います。そこが作品にも反映されているように感じますね。

アニメでさらに広がる「Rio」の世界を刮目して見るべし

――今まで伺った以外に、具体的なみどころがありましたらお聞かせください。

原尾 ダーナ以外にも、新しくて古いキャラクターが出てくるのでそれを探す楽しみもありますね。あとは毎回の対決シーンで、おなじみのあの曲がかかります。音響監督さんと監督さんが、もともとのプレイヤーへのリスペクトとして採用してくれているんですね。その「お約束」な感じ、ヒーローの必殺技曲がかかったときみたいな盛り上がりはすばらしいですよ。

――懐かしさとケレン味溢れる面白さもある、と。では最後に原作ご存知の方と、アニメで初めて触れる方、それぞれに向けてメッセージをお願いします。

原尾 今まで見守ってくださった方には、「間違いなくみなさんが応援してくださったものがこの『Rio Rainbow Gate!』です」と力強く言いたいです。まったくみなさんが応援してくださったリオがそのままアニメになっていますので、ぜひとも見ていただいて、応援していただきたいと思います。アニメから初めてリオの世界に触れていただく方には、「リオの世界は大きく広がっていますので、このアニメを入口にしてリオの世界に触れてもらいたいと思うし、それに対してがっかりされることはないと思います」と。もうひとつは、リオは設定やCDのミニドラマはあっても、こうして一本のまとまったお話として形になるのはこれが初めて、つまりアニメのオリジナル感が強い作品です。そこに勇気をもって挑戦してくれた関係者のみなさんの心意気というものを、一度でいいから試してみてもらいたい。味見してください。きっと癖になると思います……ということを最後にお願いしたいと思います!

<<123>>
ページの先頭へ