人と精霊が共存し、精霊が力を持って暮らす大陸--ポリフォニカ。人々は精霊の起こす奇跡に頼り、精霊は人の奏でる音楽を糧としてこの世界のありとあらゆる場面でその力を発揮していた。
精霊は音楽家の奏でる音楽に操られ、その力を発揮する。その特殊な音楽を奏でる彼らは『神曲楽士(ダンティスト)』と呼ばれ尊敬を集めていた。
月の輝く夜、孤児院の屋根で二人は出会った。比類なき強き精霊--コーティカルテ・アパ・ラグランジェスと孤独な少年--フォロン。
「お前を私だけのものにしたい。お前の描き出す魂の形を私だけのものに。
--ダメか?」
精霊が口にしたのは契約の言葉。絆を結ぶための神聖な儀式。だが、それは少年にとって一夜の夢のようなできごとだった。
そして、時は流れ、あるできごとをきっかけに絆が再び動き出す。
第12奏「希望:vivace」
『嘆きの異邦人』による『始源神曲』の演奏が始まる中、ついにコーティカルテの元に辿りついたフォロン。なんとかコーティカルテを助けようとするが、物質化が溶けてしまったコーティカルテには触れることはできない。
すでに力を失ったコーティカルテのために力を振り絞って神曲を奏でるフォロンだが、その調べは『始源神曲』にかき消されてしまい、コーティカルテには届かないのだった・・・。
第11奏「解体:tempestoso」
ついに敵の本拠地に突入したフォロンたち。激しい戦いの中で、フォロンをかばったコーティカルテは捕らわれてしまう。
助けに行こうと焦るフォロンに、エレインデュースはコーティカルテの秘密を語る。驚きを隠せないフォロン。
捕らわれてしまったコーティカルテは、『嘆きの異邦人』の指導者・ボルゾンと対面していた。なすすべのないコーティカルテに、ボルゾンは勝ち誇るのだった・・・。
第10奏「進攻:risoluto」
「奏世楽器を取り戻してほしい」窶披矧w院長の依頼になかなか答えを出せず、思い悩むフォロンたち。コーティカルテは今まで隠していた自分の過去を明かすことで、フォロンの心が離れてしまうことを恐れていた。だがフォロンの信頼はもう揺るがない。
それでも迷うコーティカルテに、フォロンは空を飛んでみたいとねだる。夜の街を見下ろしながら、二人はそれぞれの思いを語り合うのだった・・・。
第9奏「野望:marcato」
フォロンたちは辛くも襲撃を退けるが、トルバス神曲学院に隠されていた奏世楽器の1つ、無限鍵盤(インフィニット・ピアノ)は『嘆きの異邦人』の手に落ちた。軍や警察も手玉に取られ、各地に隠されていた奏世楽器も次々と奪われてゆく。
突然知らされた途方もない秘密の数々に圧倒されるフォロンたち。コーティカルテは自分の巻き添えとなるフォロンを案じるが、フォロンはコーティカルテと共に戦いに身を投じる覚悟を固めるのだった・・・。
第8奏「激震:furioso」
『紅の殲滅姫』窶披買gルバス神曲学院を襲ったテロリストは、コーティカルテをそう呼んだ。自分の知らない一面を垣間見せたコーティカルテに、フォロンの信頼はますます揺らいでいく。
学院長室では、伝説の四楽聖の一人、シダラ・レイトスの暗殺をもくろむテロリストにレンバルトたちが人質に取られていた。学院長が伝説の人物と知って驚くレンバルトたちだったが、学院長の作った隙に乗じて脱出を試みる・・・。
第7奏「始動:amabile」
休日を楽しむべくフリーマーケットに出かけたフォロンとコーティカルテ。いつもは気の利かないフォロンに黒曜石のブレスレットをプレゼントされ、コーティカルテは喜ぶ。だがフォロンは、その笑顔の裏には何か隠し事があることを感じとってしまう。
一方、ボルゾン率いるテロリスト集団『嘆きの異邦人』は、その陰謀を加速させ始めていた。その魔の手はトルバス神曲学院とコーティカルテにも及ぼうとしていた・・・。
第6奏「双魂:affettuoso」
一向に体調が良くならないプリネシカをペルセルテはいつものように気使う。そんな二人の仲の良い様子を優しく見守るフォロンとコーティカルテ。
だがプリネシカの秘密が明らかになった時、ペルセルテは二人の間に隠し事があったことに深く傷ついてしまう。
ペルセルテを諭すフォロンだったが、プリネシカと顔を合わせたくないペルセルテはフォロンの部屋に押し掛けてきてしまうのだった・・・。
第5奏「謀略:feroce」
フォロンを敵視しているダングイスは、フォロンを挑発してはコーティカルテとペルセルテにやり込められていた。ペルセルテは傲慢で自分勝手なダングイスには精霊は召喚できないと言い切る。
そんなダングイスが精霊との専属契約に成功する。驚く一同をよそにフォロンに精霊同士の戦いでの勝負を挑むダングイス。だが戦わず逃げ出すフォロンを、コーティカルテは歯がゆく思うのだった・・・。
第4奏「暗躍:rubato」
互いの存在の大切さを確かめ合ったフォロンとコーティカルテは以前にも増して親密になる。その様子にペルセルテとプリネシカは気が気ではない。
一方、トルバス神曲学院には第六神曲公社の視察としてライカが訪れるが、学院長は対応をユフィンリーに任せて雲隠れしてしまう。
最初は互いに警戒していたライカとユフィンリーだが、歳が近いせいもありすぐに親しくなる。だがライカは笑顔の下におそるべき企みを隠していた・・・。
第3奏「盟約:loco」
コーティは結局帰ってこなかった。コーティがいない生活の寂しさと、学院長の問いに思い悩むフォロンには、ユギリ姉妹の必死の励ましも届かない。
グループ実習で無様に失敗したフォロンは、自分の才能を過信するダングイスをいさめたプリネシカの言葉に衝撃を受ける。
フォロンに立ち直るきっかけを与えたいレンバルトたちは、フォロンにペルセルテの演奏を聴かせる。つたないながらも懸命な演奏を聴いたフォロンは・・・。
第2奏「迷路:piangendo」
無事、専門課程に進級したフォロンは、正式に契約したコーティカルテと、後輩になったペルセルテ・プリネシカ姉妹に振り回されながらも楽しい毎日を送っていた。
だが親友レンバルトの才能あふれる演奏を聴き、相変わらずの自分との差に落ち込むんでしまう。コーティには励まされるが、なかなか立ち直れない。
一方、学院長に突然呼び出された卒業生のユフィンリーは学院の警備を依頼され、不穏な空気を感じ取っていた・・・。
第1奏「邂逅:misterioso」
トルバス神曲学院の基礎課程で学ぶタタラ・フォロンは、専門過程への進級もおぼつかない落ちこぼれ。
心の支えは12年前に出会った、彼の歌を「いい歌だ」と言ってくれた紅色の精霊との思い出だった。
進級試験の追試を控えたある日、自分の演奏に嫌気がさしたフォロンはかつて紅色の精霊に聞かせた歌を歌っていたが、突如現れた精霊の暴走に巻き込まれてしまい・・・。