かつて黄金の時代があり、白銀の時代があり、青銅の時代があった。そして青銅の時代から1200年。大陸では「神聖帝国」が勢力を広げ、かつての古代王国の領域までをも呑み込みつつあった。帝国の司祭ドルウクは、自らの野望のため魔王アロウンの復活を画策し、ゲール族が住むエリン島に軍隊を引き連れ向かっていた。そこには、魔王復活のための鍵を握る妖精王・プィルの血を引くリアンノンが、兄のアルサルらと共に暮らしていた。
魔王の復活を企むドルウクに捕えられた、信託の巫女リアンノン。その事態を知った兄アルサルは、仲間と共にドルウクらのあとを追うことに。帝国軍兵士らを倒しリアンノンの元へ駆けつけたアルサルだったが、すでに儀式は終わり、魔王アロウンは復活していた。世界を手にしようとするドルウク、術により心を捕えられてしまった妹、そしてアロウンがアルサルと対峙する。その時、リアンノンの心に声が響く「目を覚ませ」と……。
1000年の眠りから復活した魔王アロウンは、成り行きからゲール族の長となり、アルサルやリアンノンたちと行動を共にすることになる。神聖帝国の非道な行動に怒りを覚えたゲール族は、帝国と戦うことを決意。賢者オガムの助言により、今まで慣れ親しんだエリン島を捨て、豊かな大地とされるアルビオン島を目指すことにする。しかし島へ移動するための船が帝国に奪われてしまう。アルサルたちは船を調達するべく行動を開始した。
アルビオン島へ無事に到着したアルサルたちは、森の奥地にあるという城を目指していた。その城の名はアヴァロン。古い言葉で林檎を意味しており、林檎がたわわに実る楽園を目指して、世界を創造した精霊たちによって造られた城。そして主の名はアロウン——。強固な結界により守られていた城は主の帰還により永い眠りから目覚め、城を守っていた家つき妖精のリムリスとエルミン、さすらいの商人妖精のエポナがアルサルたちを出迎える。
アルサルたちは食料を補充するため狩りに出るが、なかなか獲物を獲ることができなかった。その夜、酔ったモルガンは、獲物が採れないのはアルサルがしっかりしないからだと、一の戦士の座をかけ決闘を申し込む。と、そこに吟遊詩人タリエシンが現われ決闘はうやむやに。その後アルサルたちは帝国の物資を奪うため、アルビオン島、最大の交易都市ロンディニウムへと向かうことにする。しかしそこには帝国の遠征軍総司令官・ガイウスの姿があった……。
いつものように食料のカニを採るため海にやってきたアルサルたちは、アザラシ妖精のスィールと出会う。彼女はアロウン復活を祝いにきたのだというのだが……。一方、神聖帝国軍はアルサルたちの拠点、アヴァロン城を発見するべく森を探索。第一辺境警備大隊隊長のブブルクスが率いる軍が手がかりを見つけ、さっそく森の奥地へと隊を進めた。だが、そのことを察知したアルサルたちは、南の渓谷付近で帝国軍を迎え撃つ作戦に出る。
帝国との戦いを前に鍛錬に励むアルサルたち。そんな折、アルビオン島の交易都市ロンディニウムにおいて、帝国軍兵士たちも出場する剣闘大会が開催されるという情報を得る。敵情偵察も兼ね大会を見学することにしたアルサルたち。会場では白熱した試合が繰り広げられ、中でも巨人と戦う鉱山妖精のラスティの勇姿が目に止まった。だが観客のボルテージが一気に上がったのは、帝国軍人ブブルクスとその部下オクタヴィアの決闘だった。
アヴァロン城の強固な結界が解かれた今、城が帝国軍に発見されるのも時間の問題だった。そのためアルサルたちは城の守りを固めることに。その頃神聖帝国では、司令官リディアが率いるルブルム軍がアルビオン島を目指し出発していた。神聖帝国元老院・監察局直属の治安維持部隊であり、情報収集、各種工作活動、不満分子の粛正を行なう赤き鎧をまとった兵士たち。アルサルたちは以前と同じく、彼らを待ち伏せする作戦をとるのだが……。
アルビオン島にある帝国軍基地。多くの兵士たちが駐屯し、物資も豊富に貯蔵されているこの基地に、アルサルたちは奇襲をかけ、食料や物資を奪うことを決める。時を同じくして基地倉庫内では、上官に歯向かったという理由でオクタヴィアがルブルム軍に捕らえられ、司令官リディアと対面していた。ロープで縛られ箱に入れられたオクタヴィアを前に、激昂するリディア。実は2人の間には、過去の出来事に起因する大きな確執があったのだ。
幸か不幸か、物資と一緒にアヴァロン城に運ばれてきた帝国軍兵士オクタヴィア。そのことをいち早く察知したアロウンだったが、一旦は見逃すことに。しかし傷を負い倒れてしまった彼女をほっておくわけにはいかなかった。彼女のことが皆に知れ渡り、その処遇の決定を迫られたアロウンは、族長命令としてアルサルに彼女の本質を見極めるよう命令する。迷い悩むアルサルだったが、ゲール族一の戦士は剣で答えを導きだすことに決める。
ついに帝国軍にアヴァロン城の場所が知られてしまう。その数日後、アルサルたちの元に、オクタヴィアが密かに帝国兵と会っているという情報がもたらされる。彼女を信頼するモルガンはそれを否定するも、ある夜、森で帝国軍兵士と会話しているオクタヴィアの姿を目撃。だが城に戻ってきた彼女は「剣の鍛錬をしていただけ」と答えるのだった。その頃、帝国軍基地からはリディア率いるルブルム軍が、アヴァロン城に向けて出撃していた。
アヴァロン城の外に広がる激しい戦いの跡地。リアンノンは戦いで倒れたゲール族、そして帝国軍の戦士たちに手向けるため、花束を作りひとり彼らを弔っていた。だが運悪く、敵地を視察するために森を訪れた帝国の将軍ガイウスと副官デキムスに出会ってしまう。リアンノンが帝国軍に連れ去られたことを知ったアルサルたちは、急いで助けに向かおうとするが、アロウンはそれを引き止める。そしてひとり瞑想するため部屋に篭るのだが……。
リアンノンのもたらした情報により、ガイウスがアルビオン島に屈強な兵士たちを集結させていることが判明する。このままでは数により押し切られてしまうと判断したアルサルたちは、アルビオン島で最強最大の部族であるブリガンテス族に協力してもらうことを思いつく。早速ブリガンテス族が住む森へ向かう一行。彼らと手を組むことができれば帝国軍とも対等に戦えることができるはず。だが、そこでは思いがけない人物が待ち受けていた。
アルサルたちは今後の軍資金を調達するため、以前アロウンが埋葬されていたという“アロウン陵”へと向かうことにする。アロウン陵には多くの財宝が埋葬されており、一度帝国軍に侵入された今でも、その宝は眠ったままだという。だが奥へ進もうとする一行の前に、護衛用に作られた金属人形・タロスが立ちはだかる……。なんとかタロスを倒し巨大な壁画のある最下層へとたどり着いたアルサルたちに、さらなる強敵が襲い掛かる!!
アヴァロン城攻略のために兵士や武器を着々と集める帝国軍は、守りも堅固にするため、砦の周りに壁を作り始めていた。その情報を得たアルサルたちは、先手を討ち砦を攻撃することに。砦を目指し森を進む一行だったが、アロウン、そして精霊であるスィールやラスティは不穏な力を感じ取る。そして彼らの目の前に湖が現われたとき、退路を断つように大木が倒れ前後を挟まれてしまう。そして湖からは不気味な影が迫っていた……。
森で友の刃に倒れたアロウン、そして仲間の元から逃げ出したアルサル。突然2人の“希望の炎”を失ったゲール族は、アヴァロン城に立て篭もり、ガイウスが率いる帝国軍の猛攻を防ぐことしかできなかった…。だが、リアンノンはアロウンが眠りから目を覚まし、兄もきっと帰ってくると固く信じていた。その頃、自らの目的を見失い彷徨うアルサルの前に、オガムが現われ「今、貴方が成すべきことが何であるのか?」と問いかける。
未だに目を覚まさぬアロウンと戻らぬアルサル。2人を欠きながらも、度重なる帝国軍の攻撃に何とか耐え抜いてきたゲール族、そしてアヴァロン城だったが、それも限界に近づいていた。そしてゲール族のわずかな希望を打ち砕くように、巨大で不気味な破城鎚がアヴァロン城に迫っていた……。その時アルサルは、戦う理由、そして自分が成すべき本当の目的を見つけ出し、森の奥へと走っていた。仲間たちを救う希望を目指して——。
アヴァロン城の要であった「生命の門」が破られ、帝国軍の侵入を許したリアンノンたちは、第二城壁で体勢を立て直していた。だが敵の勢いを止めることはできず、残すのは“王へと登りつめるための門”だけであった……。ガイウスも前線へと移動し、陥落直前のアヴァロン城。だがそこに希望を従えたアルサルが帰還。そして眠っているアロウンへ向けた言葉が響き渡る。「俺はお前の言葉に応えた、お前も俺に応えろ!」と。
タリエシン率いるブリガンテス族と共に、リアンノンたちの元へ帰還したアルサル。そしてアルサルの呼びかけに目覚めたアロウン。2人の“希望”を取り戻したゲール族は、帝国軍、そしてガイウスを撃ち破ることに成功する。そして訪れたひと時の平和は、疲弊した民たちを癒していた。その頃神聖帝国では、事実上国を動かしていた元老院が、何者かに襲撃されるという事件が勃発。そしてアヴァロン城に新たな敵の脅威が迫っていた。
はるか昔。天上と呼ばれる世界に、唯一にして不可侵なる創造神ウァトスを信仰し、この世界すべてをつかさどる12人の精霊たちがいた。しかし今、彼らが暮らすその世界にひとつの事件が勃発。それは12人で完全な存在であるはずの彼らの間に、13人目の精霊が生まれたことであった。だが精霊のひとりメルリヌスは、その幼き精霊に“変革を告げる夜明けの星”を意味するルキフェルと名づけ、また父と呼ばせて育てることを決意する……。
大いなる試練として地上を氷期にした精霊たち。その所業を憂い、そして人間たちに大いなる変革の兆しを見出したメルリヌスは、自らの命と引き換えに「初源の歌」を発動して地上の束縛を解き放つ……。それを止められなかったルキフェルは、父の罪を償うため精霊たちに服従し、彼らが望む世界を実現することを誓う。だが精霊たちによって心を奪われた子供を見たとき、自らの過ちに気づき、父が目指した道を引き継ぐことを決める。
先の大戦の戦勝記念碑があるゴルセズ・アロウン。そこには、円状に並んだ12本の石柱の中心に突き刺さったひと振りの剣があった。アロウンが持つエドラムの兄弟剣であり、天上との地上の繋がりを封印したダーンウィン。その昔アロウンが妖精王プィルに贈ったものであり、2人は剣を持ち、肩を並べ、背中を預け、共に戦ったのである。そして今、プィルの末裔であるアルサルが手にしたとき、ダーンウィンは長き眠りから目覚める。
ゲールの戦士団や巨人族ギガースと共に、迫り来るゴルメスやオークたちを退け、アルサルたちは敵の本拠地である「パラディウム城」へと進んでいた。その勢いは止まらず、城の巨大な城門をギガースの巨大ハンマーで破壊し、城内に建ち結界で守られていた白い塔の門も、アルサルが持つダーンウィンの力によって破ることに成功した。ついに塔の内部へと進むアルサルたち。しかしそこには、敵が仕掛けた数々の罠が待ち構えていたのだった……。
「パラディウム城」でアルサルたちを待ち受けていたのは、死んだはずのドルウク、ロンディニウムの市長クレオン、そして無数のゴルメスたちだった。彼らは“復活の大釜”を使いゴルメスたちを生み出し、オベリスクにより力を増大させていた。さらにオベリスクからは、妖精族の力を奪うグラヴィタスが発生。スィールやラスティらは劣勢を強いられていた。その状況を打破するべく、オガムは命の危険をかえりみず、力を使うことに。
敵の猛攻を退け、パラディウム最上階の空中庭園へとたどり着いたアルサルたち。そこで待っていたのは神聖帝国の占星術師レクトールと、白骨化した神聖帝国の皇帝だった。皇帝を、生きる事に執着した哀れな老人のなれの果てと嘲笑するレクトール。その姿を見たアルサルは、ある出来事がフラッシュバックする。それは父親を剣で無惨に切り裂く白の精霊の姿だった……。世界の運命を賭けた、白の精霊との最終決戦が今、始まる——。
レクトールを追い詰めたアルサルたち。だがそのとき、轟音と共に地中から巨大なモンスターが出現する。それは神の戦車と呼ばれた絶対殲滅兵器であり、先の大戦で多くの都市を焼き払い、そしてアロウンの命を奪ったメルカディスであった。レクトールは自らの身を与えることで、メルカディスのパワーを増大。その強大な力の前に、アルサルたちは逃げ惑うしかなかった。だがアロウンとアルサルは、希望の炎を絶やさぬため最後の力を振り絞る。